富嶽三十六景に潜む初鰹のメッセージ

富嶽三十六景に潜む初鰹のメッセージ

2024年に発行が予定されている新札。
新しい1000円札には日本人であれば誰もが知っている、北斎の名画”富嶽三十六景”が描かれています。
そして実はこの絵…鰹が潜んでいるのをご存知ですか?

現在は身近な魚として食卓を彩る”鰹”
しかし保存技術の確立していない江戸時代には、高級魚でした。

特に初鰹は1本30万円もお値段がついたんだとか‥!
初鰹にありつければ寿命が750日伸びる…と言われていました。

本日は江戸っ子にも大層愛された初ガツオの魅力をお届けします♪

富嶽三十六景に潜む初鰹のメッセージ

日本人のみならず世界でも人気のある絵画「富嶽三十六景・神奈川沖浪裏」

崩れる大波の向こうに、残雪をいただく富士の姿を配した浮世絵です。
そして江戸っ子は、この絵を見るたびに初ガツオを思い、食欲をそそられたと言われています。

ではどうして江戸の人々は、富士山と大波でカツオを連想することになったのでしょうか?

ひとつは、波間に描かれている木造船「押送(おしょくり)船」
この船は初鰹の鮮度を保った江戸随一の快速船としても使われていました。
鰹は鯖と並んで痛みが早く、江戸時代以前には古くなったものを食べて食中毒になる人も少なくなかったようです。
しかし江戸時代に登場した「押送船」によって、鮮度を保たれた初鰹が江戸の人々に行き届くようになりました。

もうひとつは、大波、小波に躍動感を添える縞(しま)筋です。
紺と薄青と白で構成されているこの模様は、釣り上げたカツオの体表に出現する色彩を指します。
「鰹縞(かつおじま)」と呼ばれた着物の柄もありますよね。
この絵に描かれた神奈川沖は、普段はそこまで波の立たないエリア。
しかしこれほどの大波は”大漁を予感させる”北斎の誇張と言われています。

他の人よりも旬の味覚を一足はやく味わう「初物」が流行っていた江戸時代。
そしてその中でもダントツで人気のあった「初鰹」は、食べると750日寿命が伸びるとされており、当時では1本30万相当の高値がつきました。

今では比較的身近なお魚となった鰹ですが、ぜひ旬のこの時期に江戸っ子の愛した”初鰹”を味わってください♪

美味しい初鰹の見分け方

鮮度が命のカツオ!
美味しい初鰹のポイントをご紹介します♪

▷お魚単体の場合

・腹の横縞模様がはっきりしているもの。
(鮮度が低下すると模様がぼやけてしまいます。)

▷切り身の場合

・赤みや血合いの色味が鮮明な赤色であるもの。
(時間が経つにつれて茶色に濁っていきます。)

また初鰹に限っては、脂が少ない背の部分がおすすめです。
切り身に白い部分が多いほど脂がのっているものになります。
「初鰹」は「戻り鰹」より脂分は少ないですが、赤身本来の味わいを堪能できます。
戻り鰹(秋の餌を沢山食べて脂の乗った鰹)と比べて、魚体が小さく脂の少ない初鰹。
鰹の味が濃いのもこの時期ならではの特徴です。身がきゅっとしまっており、脂の少ない背の部分を食べるのが粋になります!

貧血を助ける!初鰹の栄養は?

カツオは体の4分の1をたんぱく質が占めるほど多く、背骨に近く赤黒い『血合い』と呼ばれる部分には、ビタミンB12、ナイアシン、鉄、タウリンをたくさん含んでいます。

皮の部分にはアミノ酸の1つであるリジンが多いため、これを活かした食べ方も古くから取り入れられていました。

特にビタミンB12は赤血球の生成を助け、豊富な鉄分とともに貧血を予防する効果があります。

また魚介に多く含まれるアミノ酸の1つであるタウリンは、血中コレステロールを抑えて動脈硬化を防ぐとともに、肝機能の強化や眼精疲労の緩和に作用することが知られていますよ!