秋刀魚といったら目黒!
- 2020.08.01
- 旬の食材

9月の東京の風物詩のひとつに、「目黒さんま祭り」があるのをご存じですか?
旬を迎えたサンマが約1万匹近く、無料で振る舞われるお祭りです!
お祭り当日は、各地からサンマを求めて大行列ができます。
ところで、どこにも海にも面していない”目黒”でなぜさんまなのでしょう。
実はある落語のエピソードから、目黒のさんまとなったのです!
落語「目黒のさんま」
– 時は遡ること200年余、将軍様が鷹狩りに目黒へやってきました。
そして、その時立ち寄った茶屋でさんまを食べることになりました。
焼いただけの素朴な料理、でも脂ののった旬のさんまは、普段手の込んだ料理しか食べていない将軍様にとって大変おいしく感じられました。
お城に帰った将軍様、目黒で食べたさんまの味が忘れられず、家来にさんまを出すよう命じます。
ところが、お城の料理方、庶民が食するさんまなど将軍様に出したことがありません。
でも気を利かし、さんまを油抜き・骨抜きにして蒸し、食べやすいようにしてお出ししました。
それを食べた将軍様、何だかちっともおいしく感じられません。
そこで一言、「さんまは目黒に限る」と言ったとか -
(落語:「目黒のさんま」より)
登場する殿様は、将軍家光だったり吉宗だったり、赤井御門守(ごもんのかみ)やさる殿様など、話の筋は、噺家によって数多くあり、ご存じの内容もまちまちかも知れません。
共通している筋は、殿様が当時、下魚(げうお)とされてたサンマの焼きたてのアツアツを食べたら、これまで食べたどんな魚よりもおいしい。
その味忘れがたく、再び所望したり、人にすすめたりするのだが、当の殿様、サンマは目黒で獲れるものと思い込んでいた、という所がくすりと笑えるのです。
この落語がモチーフとなり、今でも目黒では地域の人々に、秋刀魚が親しまれています。
目利きポイントは?尾びれまで黄色い秋刀魚は大当たり!
秋刀魚はマグロや鰤など大型の魚と比べて、自分で選ぶ機会が多い魚です。
魚の目利きポイントはこちら!
- 黒目の周りが住んでいる(赤くなっていないものが良い)
- 腹が硬いもの
- 頭から背中にかけてこんもり盛り上がり、厚みがあるモノ
- 口先がほんのり黄色いもの
特に尾びれまで黄色い秋刀魚がいたら、とても新鮮で美味しいと言われています。
秋刀魚は脂がのってくると余剰分が口先に現れ黄色くなります。
次に胸ビレや背ビレが黄色くなり、脂も行きどころが無くなると尾ビレまで黄色くなります。 口以外が黄色いのはめったに見れませんが、売っていればラッキーです!
秋刀魚の栄養効果
秋刀魚には、豊富な栄養成分が含まれています。
特に旬の秋刀魚は脂がのっており、DHA/EPAが更に豊富に含まれているんだとか♪
DHAには、脳細胞の活性化や網膜への効果が期待されており、EPAは、動脈硬化を防ぎ、抗血栓、コレステロールの低下などの作用による脳血栓の予防や改善に効果があります。
焼くとどうしてもDHA/EPAの含まれる脂が落ちてしまうので、生食でいただく方がより摂取できると言われています。
秋刀魚と言ったら焼き魚が主流ですが、もし鮮度の高い秋刀魚を手に入れたら、ぜひお刺し身で食べてみてください!
生姜とお醤油にさっとつけて食べると、締まった身から旨味が広がります。